探偵コラム
【船井電機】老舗電気機器メーカー倒産の裏に不審な動き?

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ニュース概要

船井電機が破産手続きに入ったことが明らかになった。最盛期には3500億円を売り上げた中堅AVメーカーで、数年前まで米国のテレビ市場では日本メーカーとして最大のシェアを誇っていた。また米メジャーリーグのスタジアムに「FUNAI」の広告を出すなど、日本よりむしろアメリカで知名度が高かった。

しかし中国製品などとの価格競争に敗れ販売が低迷、業績が悪化していた。しかも創業者の船井哲良氏が2017年に死去してからは、多角化を目指して脱毛サロンを買収するもすぐに売却するなど、経営も混乱していた。

船井の破産は、日本のAVメーカーの苦境を雄弁に物語っている。少し前までなら、経営が悪化し赤字に陥った企業でも、「日本ブランド」さえあれば救世主が現れた。しかしもはやそれは通用しない時代になった。だからこその破産手続きだ。

(引用:船井電機破産の背景に見る「AVメーカーの不振」、なぜ日本勢は世界に誇る技術力とブランド力を失ってしまったのか JB press)

船井電機が倒産

船井電機は2024年10月24日に東京地裁から破産手続き開始の決定を受け、その手続きの開始に伴い、約500人の従業員が一斉に解雇されました。

船井電機は1961年に設立され、かつては北米市場で大きなシェアを持っていましたが、近年は液晶テレビ事業の不振や競争激化により業績が悪化していました。

取引先も多数あったことから、今後、この破産による影響で連鎖倒産が起こる可能性も指摘されています。

倒産の背景に「300億円の資金流出や素性不明3名の役員加入」

倒産の裏で、ここ数年の船井電機の不審な動きが指摘されています。

破産申請時の負債総額は約474億円で、これは船井電気が2021年に出版社の秀和システムホールディングスに買収されてから始まった、多角化戦略の失敗が影響しているといわれています。

船井電機は新たなビジネスを模索するなかで、美容分野に着目し、2023年に「ミュゼプラチナム」を買収しましたが、同社は多額のネット広告費の未払いを抱えていたことが発覚。

さらに、美容業界に知見のなかった船井電機は、同業界特有のビジネスモデルの適応に苦しみ、多くのトラブルを抱えました。

その結果、ミュゼプラチナム経営が財政的な負担としてのしかかり、船井電機は同社を早期売却してしまいます。

2020年度には518億円あった同社の純資産は、23年度には202億円にまで減少したことが明らかになっています。

また、2024年5月には素性不明の役員が3名加わり、企業ガバナンスの問題も指摘されています。

このように、この船井電機倒産の背景には、同社のいくつもの不審な動きがあり、経済犯罪を指摘する声もあります。

探偵はこの事件をどう読むか

先に述べたとおり、船井電機倒産の背景には複数の不可解な動きがあったようです。

特に、ミュゼプラチナムの買収は破産を加速させる決定的な経営判断のミスとなり、船井電機は多額の資金を失うことになりました。

買収する際に、リスクを可能な限り少なくすることがデューデリジェンス調査の目的です。

ミュゼプラチナムは買収されるときにどこまで情報を開示していたが不明ですが、船井電気はデューデリジェンスに失敗したといわざるをえません。

探偵のデューデリジェンス調査には以下の特徴があります。

  • 債務者にかかわる調査
  • 役員の素行調査
  • 企業の信用調査
  • 反社チェック

探偵のデューデリジェンス調査は、代表など経営陣の素行や行動調査を重要視します。

探偵が調査を行なえば、債務者の存在や不審な人物とのつながりなど開示された情報以外のものを得ることができます。

企業買収はチャンスであると同時に、大きなリスクをはらみます。

そのため、デューデリジェンスは、多角的な視点で調査することが求められます。

今回のケースのように、異業種の会社を買収するケースではなおさらです。

企業買収などでデューデリジェンスをする必要がある場合は、ぜひ弊社にご相談ください。

貴社の状況にあった調査の提案をさせていただきます。

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