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業務上横領を告発するには法人向け不正調査で証拠収集

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業務上横領の告発、その裏付けとなる確かな証拠は、企業にとっての生命線です。

企業の存続に関わる問題だけに、正確かつ迅速な証拠収集が求められます。しかし、証拠収集は容易ではありません。

本記事では、横領事件の証拠をいかに効率的に収集し、裁判で有効な証拠として活用できるのか、そのための具体的な手法や注意点について解説します。

弊社の不正調査では、クライアントの93%が調査結果に満足いただいています。

業務上横領とは?

業務上横領は、職務上の地位を利用し、他人の財産を不正に自己のものとする犯罪行為です。

刑法第253条に規定されており、企業における不正行為のなかでも特に深刻な問題として位置づけられます。

経理不正、備品横領などが代表的な事例であり、企業の信頼失墜につながるだけでなく、刑事責任を問われる可能性があります。

この問題を未然に防ぐためには、厳格な内部監査体制の構築や従業員教育の徹底が不可欠です。

業務上横領のよくある事例

小売業

小売業における現金の不正流用は、業務上横領の代表的な事例として挙げられます。

小売業における現金の不正流用の具体例は、売り上げの一部を隠す、レジ締め時の差額を不正に持ち帰る、レシートを二重発行する、返品処理を悪用するなどが挙げられます。

飲食業

飲食業における不正行為は、小売業と同様に現金の不正流用が中心ですが、食材や飲料といった在庫の不正な持ち出しという特有の側面も持ち合わせています。

これらの不正行為は、企業の収益を減らすだけでなく、食の安全に関わる問題として深刻な事態を招きかねません。

飲食業における不正行為の具体例は、食材や飲料の持ち出し、売上金の着服、虚偽の仕入れ伝票の作成、従業員割引の不正利用、廃棄食材の不正利用などが挙げられます。

建設業

建設業における不正行為は、飲食業や小売業とは異なる特徴を持ちます。

資材の不正な持ち出しや架空の発注など、建設現場特有の不正行為が数多く存在します。

建設業における不正行為の具体事例は、資材の持ち出し、架空の発注や請求、工事費の不正請求、下請け業者との癒着などが挙げられます。

金融業

金融業界における不正行為は、顧客の信頼を裏切るだけでなく、金融システム全体の安定を脅かす深刻な問題です。

多種多様な不正行為が存在しますが、特に問題視されているものを以下に詳しく解説します。

  • 顧客の預金口座からの不正な引き出し(偽造行為、共謀による不正、システムの脆弱性を悪用)
  • 融資の不正利用(虚偽の申告、担保の不正、融資先の不正)
  • その他の不正行為(内線取引、マネーロンダリング、顧客情報の不正利用)

医療業界

医療業界における不正行為は、患者への信頼を損なうだけでなく、医療費の高騰にもつながる深刻な問題です。

今回は、特に経理担当者による医療費や保険金の不正操作について解説します。

医療費や保険金の不正操作の実態は、実際には行なわれていない検査や治療を行なったかのように見せかけ、医療行為を不正に請求します。

さらに、水増し請求、重複請求、虚偽の診断書、薬品や医療器具の不正購入、取引先との癒着などが挙げられます。

不動産業

不動産業界において、家賃や敷金を代理で管理する業務は、高い信頼性が求められます。

しかしながら、なかにはこの信頼を裏切り、私的に流用してしまうケースが発生します。

不動産業界における家賃や敷金の私的流用の具体例は、家賃の着服、敷金の着服、家訓の費用計上などが挙げられます。

運送業

運送業は、社会の物流を支える重要な産業ですが、残念ながら不正行為が行なわれるケースも少なくありません。

特に、顧客から預かった荷物の販売や、運賃の不正請求といった行為は、企業の信頼を失墜させ、顧客に多大な損害を与える可能性があります。

運送業における不正行為の具体例は、荷物の販売、運賃の不正請求などが挙げられます。

業務上横領を告発するには?

業務上横領の告発は、企業や組織にとって深刻な問題であり、適切な対応が求められます。

告発の手続きや注意点について、以下に詳しく解説します。

証拠の収集

業務上横領の疑いがある場合、その事実を立証するためには、多角的な証拠収集が不可欠です。

財務記録の精査は基本であり、会計帳簿、銀行取引明細、会計システムのデータを詳細に分析し、不正な出金や不審な取引を探します。

偽造された領収書や請求書は、不正な支払いの証拠となります。

電子データも重要な証拠です。従業員間のメールやメッセージに、横領を示唆する内容や隠蔽工作の痕跡が含まれている可能性があります。

探偵や内部監査の協力も有効です。

探偵は従業員の不審な行動を調査し、内部監査は帳簿の不正を詳細に分析することで、隠された証拠を発見します。

これらの多角的な調査により、横領行為を立証するための確固たる証拠を収集できます。

内部報告

内部報告とは、企業内で不正行為や不適切な行為を発見した従業員が、会社側にその事実を報告する行為です。

コンプライアンス部門は、このような報告を受け付け、調査を行ない、必要であれば法的手続きや社内処分へと進めます。

これにより、企業は不正行為を早期に発見し、損害を最小限に抑えるられます。

経営陣も、内部報告を重視すべきです。

報告された情報に基づき、企業全体のガバナンスを見直し、不正行為の再発防止策を講じることが求められます。

多くの企業では、内部通報制度を設け、従業員が匿名で報告できるようにしています。

これにより、従業員は安心して不正行為を報告でき、企業はより多くの情報を得られます。

内部報告は、企業の信頼性と透明性を高め、不正行為の防止に貢献します。

弁護士に相談

業務上横領が発覚した場合、法的助言を得るために弁護士に相談することは非常に重要です。

弁護士のサポートを受けることで、適切な法的対応が取れ、加害者に対する対応が円滑に進みます。

まず、弁護士は横領がどの法律に違反しているかや、企業の法的権利を明確にし、民事訴訟や刑事告訴の適否を判断します。

民事訴訟では被害資金の返還を求め、刑事告訴では刑罰の追求が可能です。

また、弁護士は証拠の収集や整理にも関与し、財務記録や電子メールなどの証拠を法的に有効な形で揃え、収集された証拠が無効とならないようにします。

弁護士は、財務記録やメールなどの証拠を収集・整理し、法的に有効な証拠として裁判で使えるよう準備します。

また、告発状の作成や警察への届け出など、複雑な手続きを代行し、和解交渉なども行ないます。

横領問題の解決には、弁護士の専門知識が不可欠です。

刑事・民事の違い

業務上横領の告発において、刑事手続きと民事手続きの2つの側面があります。

刑事告訴」は、犯罪行為である横領に対して、加害者に刑罰を与えることを目的としています。

これは、社会全体で不正行為を許さないという観点から、社会の秩序を維持するための手続きです。

一方、「民事訴訟」は、横領によって被害を受けた企業が、加害者に対して損害賠償などを求める手続きです。

刑事告訴について

業務上横領は法律で禁止されている行為であり、この行為に対して刑事責任を追及するのが刑事告訴です。

警察や検察に被害を届け出、加害者に罰を与えることを求める手続きとなります。

刑事告訴が認められれば、加害者は罰金や懲役といった刑罰を受ける可能性があります。

刑事手続きの目的は、社会の秩序を守ることにあり、被害者が直接お金を取り戻すことではありません。

しかし、刑事裁判の結果は、民事裁判で損害賠償を求める際に有利な証拠となる場合があります。

民事訴訟について

業務上横領の被害にあった企業が、加害者に対して損害賠償や横領されたお金の返還を求めるのが民事訴訟です。

刑事訴訟が加害者を罰することを目的とするのに対し、民事訴訟は被害者が受けた損害を回復することを目的としています。

裁判所が、加害者の横領行為を認めた場合、加害者は被害者に損害賠償を支払う義務を負います。

しかし、民事訴訟で勝訴しても、加害者に支払い能力がなければ、実際に損害賠償を受け取れない可能性もあります。

そのため、加害者の財産状況を調査したり、強制執行の手続きを取ったりするケースもあります。

警察への告発

業務上横領を警察に告発する際は、まず確実な証拠を揃えることが重要です。

財務記録、領収書、メール、関係者の証言など、横領があったことを示す具体的な証拠をできる限り集めましょう。

これらの証拠を基に、警察に告発状を提出します。

告発状には、以下の情報が記載されることが一般的です。

  • 横領の具体的な内容(時期、方法、金額など)
  • 横領者の氏名や役職
  • 収集した証拠やその内容

警察は、提出された告発状と証拠をもとに捜査を開始します。捜査の結果、横領の事実が認められれば、容疑者を逮捕し、検察に送検します。

検察は、証拠を精査し、起訴するかどうかを判断します。

起訴された場合は、刑事裁判が行なわれ、裁判所が容疑者の有罪・無罪を判断し、有罪の場合には刑罰が科されます。

公的機関への報告

業務上横領が発生した場合、警察への告発だけでなく、労働基準監督署や監査機関への報告も非常に重要です。

労働基準監督署への報告は、横領行為が労働法や会社の就業規則に違反していることを示し、労働基準監督署は、企業に対して従業員への処分や内部監査の強化を指導できます。

これは、企業の労働環境改善につながり、再発防止に役立ちます。

監査機関への報告は、企業の財務状況の透明性を高め、会計不正を防ぐことにつながります。

監査機関は、企業の内部統制の不備を指摘し、改善策を提言することで、再発防止策の強化を促します。

さらに、業界の監督機関への報告が必要な場合もあります。

業界の監督機関は、企業の不正行為を厳しく取り締まり、業界全体の信頼回復に努めます。

法人向け不正調査

探偵による法人向けの不正調査は、業務上横領の証拠収集や、内部での不正行為を明らかにするために、以下の調査が行なわれます。

  • 従業員の行動調査
  • 資金や物品の不正流用の確認
  • 第三者との癒着や取引関係の調査
  • 従業員の生活状況の確認
  • デジタルフォレンジック調査

各種調査の概要

従業員の行動調査について

不正調査のなかでも、従業員の行動調査は非常に重要な要素の一つです。

この調査では、業務上横領に関わっている可能性のある従業員の行動パターンを詳しく分析し、不正行為の実態を明らかにします。

具体的には、勤務時間外の行動、会社への出入り時の様子、特定の場所への頻繁な訪問、不審な人物との接触など、さまざまな角度から調査を行ないます。

資金や物品の不正流用追跡について

資金や物品の不正流用を追跡する調査は非常に重要です。

この調査では、企業の現金、商品、備品など、あらゆる資産がどのように不正に持ち出されているのか調べます。

具体的には、現金の支出が正当な理由で行なわれているか、在庫数が減っているのは売上が減少しているためか、それとも横領によって持ち出されているのかなどを調査します。

第三者との癒着や取引関係の調査について

従業員が外部の業者や個人と結託して横領を行なっている可能性も視野に入れ、第三者と癒着や取引関係を調査します。

この調査では、従業員が特定の業者と頻繁に取引を行なっていたり、個人的なつきあいがあったりする場合、その関係性が横領行為に結びついていないか、詳しく調べます。

取引記録や関係者との連絡履歴などを分析し、不正な資金の流れや情報のやり取りがないかを確認します。

従業員の生活状況の確認

従業員の生活状況にも注目し、不正行為との関連性を調査します。

不正行為に関与している従業員の場合、普段の生活水準が著しく向上したり、高額な買い物やギャンブルなど、収入に見合わない支出をする可能性があります。

このような生活の変化は、横領によって得た資金を私的に使用していることを示唆する可能性があり、探偵はこれらの情報を収集し、不正行為の証拠として活用します。

デジタルフォレンジック調査

不正調査において、デジタルフォレンジック調査は、ますます重要性を増しています。

この調査では、従業員が使用しているパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に保存されているデータを解析し、不正な取引履歴や通信記録などを特定します。

これにより、横領の具体的な手口を裏付ける証拠が得られることがあります。

業務上横領の時効について

業務上横領の時効については、刑事と民事で異なります。

刑事責任の時効

業務上横領は、法律(刑法第253条)で非常に重い罪とされており、最大で10年の懲役が科せられる可能性があります。

しかし、この刑事責任を追及できる期間には制限があり、犯罪が発覚してから7年という時効が定められています。

つまり、横領行為が発覚してから7年が経過してしまうと、たとえ犯人が特定できたとしても、警察に告訴できなくなり、刑事責任を追及できなくなります。

民事責任の時効

民法では、損害賠償請求権には消滅時効が定められています。

業務上横領の場合、一般的に、被害者が損害と加害者を知ったときから3年、または横領行為があったときから10年のいずれか早い方が時効となります。

つまり、被害に気づいてから3年、もしくは横領が発生してから10年が経過してしまうと、たとえ加害者に損害賠償責任があったとしても、それを請求できなくなります。

不正調査の料金

一般的な不正調査の基本料金は、1日あたり10万円~20万円程度が相場と言われています。

調査員1名あたりの料金は1時間あたり10,000円〜20,000円が目安です。

しかし、これはあくまでも目安であり、実際の料金は調査内容難易度に応じて前後します。

さらには、長期間にわたる調査が必要な場合や、詳細な情報が必要な場合は、数十万円から数百万円かかることも。

「調査内容を具体的に伝える」「調査期間を短くする」「調査範囲を限定する」ことで、料金を安く抑えることが可能となります。

依頼料金の取り決めは?

探偵事務所によって料金体系は異なりますが、一般的には以下の要素によって料金が決定されます。

弊社は無料相談の際に、依頼内容を詳しくヒアリングし、それに基づいて見積もりを作成します。

見積もりには、調査内容、期間、費用などが詳細に記載されます。

  • 調査時間
  • 調査内容
  • 対象の人数
  • 調査員の人数
  • 必要な証拠の種類
  • 取得する情報の種類
  • 諸経費(交通費・宿泊費) etc…

不正調査の料金相場

難易度:

¥165,000(税込)〜

*調査員人数、調査範囲などにより金額が変動致します。

*調査時にかかる諸経費(交通費など)は別途、調査終了後に請求させて頂きます。

難易度:★★

¥484,000(税込)〜

*調査員人数、調査範囲などにより金額が変動致します。

*調査時にかかる諸経費(交通費など)は別途、調査終了後に請求させて頂きます。

難易度:★★★

¥880,000(税込)〜

*調査員人数、調査範囲などにより金額が変動致します。

*調査時にかかる諸経費(交通費など)は別途、調査終了後に請求させて頂きます。

業務上横領に関する相談窓口

弊社は、長年にわたり、不正調査を専門に行なってきた探偵事務所です。

93%のがクライアント「良かった」と結果に満足しており、信頼性と満足度が高いと評価いただいています。

企業の不正行為は、早期発見と適切な対応が重要です。業務上横領でお困りなら、まずはお気軽にご相談ください。

長年の経験と実績に基づいた、他社にはない独自の調査手法で、クライアントの課題を解決いたします。

さらに、弊社は多数の海外協力会社と連携し、海外調査に関するご相談にも対応しています。

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